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今を生きる 元気な踊りで恩返し 24日の高齢者芸能発表大会「仲間と楽しみたい」

来月の発表大会に向け練習に熱が入る早川さん(左から3人目)と会員

■避難先のいわき市で民舞教室を再開 早川圭子さん74(楢葉)
 「はい、もう1度、音楽に合わせて踊りましょう」。いわき市中央台高久の仮設住宅集会所に設けられたけいこ場に、若柳流名取幸圭の早川圭子さん(74)の声が響く。踊りのけいこをしているのは東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で避難が続く楢葉町のお年寄りたちだ。早川さんも同市小名浜の仮設住宅に住んでいる。踊りは古里を離れた町民の心と心をつなぐ"応援団"だ。町に戻れる日を信じて早川さんは仲間と体を動かす。
 参加者は楢葉町老人クラブ連合会民舞教室の会員だ。震災前は月2回、町福祉会館に集まり早川さんを囲みながらけいこしていた。しかし震災と原発事故でけいこが中断した。
 「仮設住宅にじっとしていられない」「体を動かしたい」。早川さんの元に、民舞教室の再開を望む声が少しずつ届くようになった。踊りが1人1人の心をつないでいたことが何よりもうれしかったという。町老人クラブ連合会事務局がある町社会福祉協議会の協力で会員らと連絡を取り合った。1月には、けいこ再開を告げる「発足会」を開いた。
 けいこ場には震災前と同じ月2回、60代から80代までのお年寄りが集まる。震災前に30人だった会員も少しずつ戻り、20人を数えるまでになった。今は10月24日に郡山市の郡山ユラックス熱海で開かれる「第16回県高齢者芸能発表大会」が大きな目標だ。
 芸能発表大会の演題は「おけさ恋唄」に決めた。町外に避難した仲間や支えてくれた人に元気な姿を伝えることが、今できる最大の恩返しであり復興への第一歩だ。「とにかく笑顔で仲間と楽しい時間を過ごしたい」。5分間の舞台に古里再生の夢と感謝の気持ちを込めるつもりだ。

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