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今を生きる 上京半世紀「古里のため」 農漁業の研究生かす

企業立地協定書締結式で新たな地場産業づくりへの抱負を述べる遠藤さん

■北塩原でチョウザメ養殖 裏磐梯パイロットファーム社長遠藤 清武さん70
 「ようやく古里の役に立てる」。27日に北塩原村と企業立地協定を結んだ裏磐梯パイロットファーム(UPF)社長の遠藤清武(きよむ)さん(70)=同村出身=は感慨深げに語った。上京して半世紀。東京電力福島第一原発事故の風評被害に苦しむ故郷の復興を託された。

■風評被害からの復興託される
 大塩中(現北塩原一中)卒業後、しばらくは実家の農業を手伝った。19歳で親元を離れ、東京・築地市場で仲買や競りの仕事に励んだ。26歳で立体自動倉庫「ラックビル」を開発する企業を設立してから技術開発の道を歩み、これまでに80件の特許を取得した。企業経営の傍ら、趣味の一環で最先端の農漁業技術研究にも取り組んできた。
 原発事故後、観光客が激減するなど大きな打撃を受けた古里への思いが募った。1月、小椋敏一村長らから「村の振興に力を貸してほしい」と企業進出の打診を受けた。復興に貢献できるチャンスだと感じた。長年、企業内や個人で取り組んだ研究成果を生かし、国内でなじみの薄いチョウザメの養殖事業に乗り出すことを決めた。
 児童減少で平成18年度に閉校した母校の大塩小校舎の一部を養殖施設として活用する。「加工、販売などで雇用を創出し、村民の流出を食い止めたい」と言葉に力を込める。古希を迎えてなお、古里の力になれる幸せを感じている。

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