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運送会社を経営 社員に慕われる

■南相馬市原町区小沢 小沢邦彦さん(70)
 相馬農高を卒業した後、南相馬市の運送会社・平和貨物運送に就職、亡くなる前まで社長を務めていた。若いころは、トラックで東北と首都圏を頻繁に行き来した。社長に就いたのは60歳を過ぎてから。働くことを生きがいとしていた。口数は多くないが、温厚な性格で社員や友人から慕われた。
 休みの日には稲作に精を出し、妻和子さん(64)の野菜作りをよく手伝っていた。和子さんのきょうだいと出掛ける年1回の旅行を楽しみにしていた。同居していた小学生の2人の孫をかわいがり、「どんなふうに育つのかな」と成長を心待ちにしていた。退職後の夢について和子さんに語っていた。「絵を描いてのんびりしたい」「万里の長城が見てみたい」
 震災の時、小沢さんは檀徒(だんと)役員の集まりで市内原町区の寺にいた。揺れが収まると、すぐに会社に戻り、社員の安全を確認した。その後、自宅に戻ろうとしたところ、津波に遭ったとみられる。昨年3月末に家から数キロ離れた6号国道近くの水田で見つかった。
 和子さんは「(会社では)従業員に止められたにもかかわらず、自宅に戻ろうとしたらしい。きっと家族を心配したのだろう。もっと自分を大切にしてくれていれば」と思いを寄せている。

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