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漁師、スポ少の名監督 民生委員の仕事に尽力 俳句、川柳、新聞に掲載

■南相馬市小高区村上 村松利国さん(57) 多賀江さん(56) ヨシノさん(86)

 利国さんは、若いころから海に出続けている腕利きの漁師だった。仕事には厳しいが、家庭では優しい父親だった。震災後、船を確認するために浪江町の請戸港に車で向かった。行方は今も分からない。
 地元南相馬市の福浦バレーボールスポーツ少年団の監督を長く務めた。1人1人に寄り添い、教え方に定評があった。教え子から成人式や結婚式に招待されることも多く、名監督として慕われていた。
 妻の多賀江さんは平日は漁に、休日はバレーの試合に出掛ける夫を支えていた。2人の娘の子育てにも熱心で、家族思いだった。民生委員を務め、震災後、近所の高齢者宅に安否確認に回った姿が目撃されている。その後に自宅に戻ったところで津波に遭ったとみられる。昨年6月に自宅から2キロほどの6号国道沿いで見つかった。
 利国さんの母ヨシノさんは本が好きで、俳句や川柳などを趣味としていた。新聞などにも投稿し、数多く掲載された。自宅にいて津波に襲われたらしく、昨年3月12日に自宅から約3キロ離れた場所で発見された。
 利国さんの次女利江さん(30)は今年8月、双子の女の子を出産した。姉を「多笑(たえ)」、妹を「利笑(りえ)」と名付けた。両親の名を一文字ずつ使った名前には「親のように思いやりのある素晴らしい人になってほしい」との願いが込められている。
 両親、祖母を一度に失い、絶望に打ちひしがれていたが、2つの命の誕生は大きな希望となった。「娘たちは親の生まれ変わりのように感じる。私が頑張って育てていかないと」と言葉に力を込めた。

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