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情報共有システム構築 県内全市町村と防災関係団体へ

 東京電力福島第一、第二両原発の事故・トラブルに備え、福島県は防災行政無線を活用し、県内全市町村や防災関係団体に原発施設の損傷など重大事案をはじめ、県民生活の安全に関わる事象を即座に伝達、情報共有する仕組みを年内に整える。非常時には住民避難や物資調達などで市町村間の調整も行うが、災害時の無線通信環境の確実な確保などが課題となる。
 原発事故の初動対応見直しの一環。県と福島第一、第二両原発周辺の11市町村は東電と通報連絡協定を結び、2市町で手続きを進めている。
 県は協定に基づき情報提供を受けた事案の一部について、残る46市町村と県警本部、消防本部、自衛隊など約180の関係団体に防災行政無線で伝える。
 さらに、市町村や関係団体から情報提供を希望する事案について意見を聞く。汚染水の漏水、福島第一原発の廃炉作業の進捗(しんちょく)状況、放射線量の変化や軽微なトラブルなども要望があれば連絡することを検討していく。
 万が一、原発事故が再び発生した際は防災行政無線を通じ、避難する自治体と受け入れ側の自治体との調整、避難所の確保、食料や燃料、物資の調達を進める考えだ。
 ただ、防災行政無線については、東日本大震災の発生当初、県は庁舎が被災したことにより一時的に使用不能となった。役場庁舎が損壊して使えない自治体も出た。県は回線を増やして事故・トラブルに備えており、今後は市町村と関係団体側の対応が課題となる。何らかの理由で防災行政無線が寸断された場合には、衛星携帯電話を持った連絡員を市町村に派遣し、情報を伝える仕組みを整える。
 県生活環境部は「迅速な情報収集、発信が適切な初動対応の基礎となる。市町村に確実に連絡する態勢を確立したい」としている。
 一方、原発事故で避難を余儀なくされた浪江町の担当者は「通報連絡に『完全』といえる手段はない。人員派遣など綿密な態勢を整え、訓練しなければ災害時に効力を発揮できない」と指摘した。

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