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維持費増、財源が課題 民間事業者圧迫の可能性 「仮の町」災害住宅の県営化

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難自治体の町外コミュニティー(仮の町)の災害公営住宅約5千戸を、福島県が県営住宅として建設することで、避難者が古里に帰還した後、避難者以外の県民を入居対象者とすることが可能となる。ただ、県の維持管理費が増大することになり、財源確保が課題となる。民間事業者を圧迫する可能性もある。

▼二重の懸念
 県営住宅は現在、福島、郡山、いわきなど県内十市に約8200戸ある。家賃収入は年間約17億円あるが、多くは建設費の償還に充てられている。一方、年間の維持管理費は約6億円に上る。さらに5千戸増えれば、維持管理費は年間10億円近くになる見通しだ。
 国からの支援はなく、県の担当者は「どう捻出するかが課題だ」と頭を悩ませる。
 避難者が帰還した後、避難者以外の県民の入居が可能となれば、民間住宅を供給する不動産業者の業務を圧迫する可能性もある。福島市で賃貸アパート・マンションを扱う不動産会社の担当者は「現在の借り上げ住宅制度が終了すれば民間の賃貸住宅が供給過剰となる恐れがある。さらに低家賃の県営住宅が増えれば、われわれにとって厳しい状況になる」と懸念する。

▼方針転換
 県は平成17年の有識者らによる県営住宅政策検討会の議論を受け、公営住宅は住民により身近な市町村営に任せ、県営住宅は新規建設しない方針を決めていた。しかし、原発事故による町外コミュニティーという未曽有の事態に直面し、方針転換を迫られた。
 復興庁によると、建設費の大部分には復興交付金が活用されるため、民間への払い下げは難しいという。福島復興再生特別措置法では、公営住宅の用途を終えた場合、住宅以外の施設などに使用目的を変える手続きを簡素化する特例がある。ただ、県の担当者は「集合住宅を他の施設に再利用するには構造上、難しく、改修に費用も掛かる」とみている。

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