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放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺の役割は

 東京電力福島第一原発事故を受け、県が県民健康管理調査の一環で子どもの甲状腺検査を進めています。甲状腺には今回の事故前はあまりなじみがありませんでしたが、どのような役割を持ち、どんな病気がありますか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■甲状腺ホルモンを分泌し代謝や自律神経系を調節

 甲状腺は、頸部(けいぶ=首)の前面にある臓器で、ちょうどチョウが羽根を広げたような形をしています。成人の場合でも15~20グラム程度と、比較的小さな臓器ですが、甲状腺ホルモンを出すという役割があります。
 甲状腺ホルモンは、エネルギーの代謝や自律神経系の調節、つまり人間の活動のバランスを保つという非常に大切な働きをしています。このため甲状腺ホルモンが上昇し過ぎたり、低下し過ぎたりすると、いろんな症状が起こってきます。
 甲状腺ホルモンが上昇し過ぎることを「甲状腺機能亢進(こうしん)症」といいます。よく知られている病気に「バセドウ病」があります。バセドウ病は特に若い女性によく見られる病気です。甲状腺が大きくなるほか、甲状腺ホルモンが過剰に出ることで動悸(どうき)、食欲の亢進、体重減少、手の震えといったさまざまな症状が出ます。
 逆に甲状腺ホルモンが低下し過ぎることを「甲状腺機能低下症」といいます。こちらはむしろ中年以降の女性によく見られます。やはり甲状腺の腫大が見られるほか、皮膚の乾燥や便秘、体重増加といった症状が見られます。
 どちらの病気も、血液検査をして甲状腺ホルモンやそれに関連するホルモンを測定したり、甲状腺に対する自己抗体の有無を確認することによって診断をすることができます。もし心当たりの症状がある場合には、一度、かかりつけや最寄りの医療機関で相談されるとよいでしょう。

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