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放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺が放射性ヨウ素を取り込むメカニズムは

 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性ヨウ素を甲状腺が取り込んで内部被ばくを起こすと言われました。どのようなメカニズムで取り込むのでしょうか。日本人が取り込みにくいとされる理由も教えてください。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■ホルモン合成のため集積 海藻類豊富な日本は摂取過剰
 甲状腺で分泌される甲状腺ホルモンはヨウ素から合成されます。このため、体の中に入ったヨウ素の多くは甲状腺に集積しやすい傾向があります。
 ヨウ素という物質は海産物、特に海藻類に豊富に含まれています。日本人は昆布やワカメなどの海藻類を日常からよく摂取しています。昆布はあまり食べないという人も「昆布だし」を使った食事を通じてヨウ素を摂取している場合が多く、日本人はヨウ素を充分に、というよりもやや過剰に摂取している民族といえます。
 世界レベルで見ると、このようにヨウ素を「取り過ぎている」地域は極めてまれで、逆にヨウ素の摂取が少ない地域が多く見られます。特に内陸国では食事中から十分なヨウ素を摂取することができず、足りなくなることが多く、このような状態を「ヨウ素欠乏」と言います。ヨウ素欠乏の地域では甲状腺が腫大したり、甲状腺機能の低下が見られることがあり、近年、これらの地域では食塩にヨウ素を添加するなどしてヨウ素欠乏の改善を図っています。
 昨年3月の福島第一原発事故の直後には放射性ヨウ素が大気中に放出されました。放射性ヨウ素も普通のヨウ素と同様、体の中に入ると甲状腺に集積しやすく、内部被ばくの原因となります。このため、事故直後から暫定基準値(現在は基準値)を設け、放射性ヨウ素に汚染した食物の過剰な摂取による甲状腺の内部被ばくの低減化を図ってきました。

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