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初動対応を立地県と連携 県外の原発事故 来年度にも茨城と協定

 原子力規制委員会が原子力災害対策指針で原発から半径30キロ外でも原発事故に伴う防護措置の必要性を指摘したことを受け、県は県外での原発事故に備え、周辺の原発立地県と防護態勢を大幅に強化する。県境に最も近い日本原子力発電東海第二原発がある茨城県と平成25年度にも原子力防災に関する協定を結び、通報連絡や職員配置、避難誘導、環境放射線量測定などの初動対応を整える方針を固めた。東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県、東北電力女川原発が立地する宮城県とも協定締結を視野に調整する。
 協定は、県外の原発で放射性物質の拡散につながる緊急事態が発生し、県内にも被害が想定される場合、原発立地県と本県が情報を共有し迅速な対応につなげる。県は、通報連絡の手段や対応する人員の配置、広域的な避難誘導や受け入れ先の確保、県境付近の環境放射線モニタリング態勢、支援物資の確保の在り方などを盛り込む方向で調整する。東海第二原発(東海村)に緊急事態が発生すれば、県は茨城県から被害の情報提供を受け即時に県内の関係市町村に連絡し、県民への影響を防ぐ。
 県は協定の素案をまとめ、茨城県と協議に入る方針。東電福島第一原発事故で初動対応が混乱した教訓を踏まえ、両県合同の原子力防災訓練を実施して対応力の強化を目指す。
 原子力災害対策指針では、原発から半径30キロ圏の原子力災害対策重点区域の範囲外も放射性物質の防護措置が必要となる場合があるとし、原子力規制委が対策範囲を検討している。指針の原案段階では、屋内退避を中心とした対策の範囲として「50キロ圏」を挙げていた。東海第二原発の50キロ圏内はいわき市、矢祭町、塙町の一部が入る。重大事故が発生すれば、県内にも屋内退避や避難、安定ヨウ素剤服用の指示が出る可能性がある。
 県生活環境部は「隣県の事故から県民を守る態勢づくりを急ぐ」とし、茨城県原子力安全対策課は「国の動きを踏まえ、福島県などとの連携を考える必要がある」と見解を示す。東海第二原発から50キロ圏にかかる矢祭町は「町が詳しい情報を独自に得るのは困難。県が広域の対応を担うべき」と求めた。
 県は茨城県との協定締結後、新潟県、宮城県と調整に入る。柏崎刈羽原発(柏崎市・刈羽村)は県境から直線で約55キロ、女川原発(石巻市・女川町)は約75キロに位置し、原発に深刻な事故が起きた場合、風向きなど気象条件によって、会津地方や県北・相双地方をはじめ県内に影響が及ぶ可能性がある。
 新潟県は「隣接県との協力態勢づくりは重要課題。具体的な内容を検討する」と連携に前向きな姿勢を示す。宮城県は「国や他県の動きを注視し、必要に応じて方向性を考えたい」としている。
 県は原発が立地する13道府県と「原子力災害時の相互応援に関する協定」を結んでいるが、県境を越える被害は想定しておらず通報連絡などの対応は含まれていない。

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