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放射線 放射性物質 Q&A 一部の子どもの甲状腺に嚢胞大丈夫か

 東京電力福島第一原発事故を受け、県が県民健康管理調査で進めている甲状腺検査では、一部の子どもでしこりや嚢胞(のうほう)が見つかっても、詳細検査の必要がないと判断されています。大丈夫なのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■多くの人にあり珍しくない 20ミリ以下は詳細検査いらず

 甲状腺の超音波検査(エコー検査)で、5ミリ以下のしこりや20ミリ以下の嚢胞が発見され、「A2」判定を受けた子どもは、ほとんどは甲状腺嚢胞が見つかったケースです。
 甲状腺嚢胞というのは、甲状腺の中に液体の入った袋がある状態で、生まれつきある場合もありますし、一時的に現れて成長とともに消えていく場合もあります。甲状腺嚢胞は超音波検査をすると多くの人に見られ、子どもでも決して珍しくありません。
 特に、超音波装置の画像の品質が向上した現在では、以前の装置では見つけることができなかった、極めて小さな嚢胞の発見が可能になり、多くの子どもに嚢胞が指摘されているのです。
 嚢胞は充実部分を伴っていないものは良性と考えてよく、治療の対象となることはほとんどありません。一方、嚢胞の中に充実部分を伴っているものは、まれに悪性の場合がありますので、「嚢胞」ではなく「結節(しこり)」として、液体部分も含め5・1ミリ以上で詳細な2次検査が必要な「B」判定とされます。だから「A2」判定の子どもは現時点で詳細検査を受ける必要はありません。
 一方、日本ではこれまで、子どもの甲状腺検査を大規模に行って、所見の頻度を検討した調査がありませんでした。現在、長崎県など福島県以外の地域で子どもの甲状腺超音波検査が進められており、その結果を福島県内で検査した子どもの所見の頻度と比較する予定です。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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