川俣町の子どもが昨年6月から1年間に受けた外部被ばく線量の累積は、平均で1・14ミリシーベルトだった。最大値は3・6ミリシーベルトで、町の震災復興アドバイザーを務める近畿大原子力研究所は「健康に影響のある子どもは1人もいない」との見解を示している。
川俣町教委が9日に公表した。昨年6月22日から今年6月30日までの間、町内全ての幼稚園児・保育園児、小学生、中学生の合わせて1329人に積算線量計を携帯させて調査した。3年間にわたり計測する予定で、県内で年間を通じて測っている市町村はないという。
町は全ての教育施設の除染を終了させており、積算線量は時間の経過とともに減少傾向にあるという。
ただ、教育施設で過ごす時間の短い幼稚園児は保育園児や小中学生と比べて0・1~0・2ミリシーベルトほど高い数値を示しており、除染が行われていない家庭周辺で被ばくしているとみられる。
町教委は町に園児の生活環境周辺の除染を優先するよう要望している。
(カテゴリー:福島第一原発事故)