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放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がんどのような病気か

 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性ヨウ素による被ばくで甲状腺がんの発症が心配されています。チェルノブイリ原発事故でも多くが発症したそうですが、甲状腺がんとはどのような病気なのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■発生頻度高くゆっくり発育 多くの人が気付かずに生活

 甲状腺がんは文字通り、甲状腺に発生するがんです。顕微鏡で見たときの形の特徴からいくつかのタイプに分けられます。最も多い約8割以上に見られるのが「乳頭がん」と呼ばれるタイプです。
 甲状腺乳頭がんは、他の臓器を含めた全てのがんと比較しても、ゆっくりと発育し、具体的な症状が出にくい性状を持つことが分かっています。このため、非常に小さな、数ミリ程度の甲状腺がんが発生しても、気付かずに過ごすことがしばしばあります。
 過去の調査で、亡くなられた人の体を解剖して甲状腺がんがどのくらいの割合で見つかるかを調査したところ、国によって多少の違いはありますが、1~2割程度の人に甲状腺がんが発見されたと報告されています。つまり、甲状腺がんは比較的、発生頻度が高く、しかも、かなりの方が発生に気付かないまま、生涯を全うされている、ということなのです。
 甲状腺がんの診断では、超音波検査やがんが疑われる細胞を採取し、顕微鏡で観察します。実際に甲状腺がんと診断され、治療が必要であると判断された場合、一般的にはがんを摘出する、つまり手術による治療が行われます。一方で、甲状腺は甲状腺ホルモンを出す臓器ですから、甲状腺の大半を摘出すれば、甲状腺ホルモンが出ない状態になってしまいます。そのような場合には、甲状腺ホルモン剤を服用していただき、体内のホルモン濃度を一定に保つように調整します。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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