東日本大震災

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食品線量検査対象に 東電自治体賠償 機器購入など

 東京電力福島第一原発事故に伴う自治体への損害賠償で、東京電力は食品モニタリングと学校給食の検査費用を支払い対象とする。原発事故発生から平成23年度末までの損害について、今年度中に支払いを始める。これまでは水道、病院事業など企業会計の減収分が主な対象だったが、事故から1年9カ月を経て、「食」の安全確保のために福島県や市町村が取り組んでいる放射性物質検査が初めて認められた。ただ自治体からは「対応が遅い」との批判が出ている。

 県や市町村による食品モニタリングと学校給食検査は原発事故以前は実施されておらず、東電は「原発事故との因果関係が明らか」と判断した。食品の放射性物質検査に伴う機器類の購入費、臨時職員の人件費、外部への検査委託費用などが支払い対象となる。
 東電は25日、郡山市で市町村を対象とした説明会を開き、請求できる項目や手続きなどを伝える。自治体からの請求内容を精査した上で、年度内に支払いを開始する。
 24年度以降の食品モニタリングについても賠償対象とする方針。ただ、学校給食検査については、同年度以降に給食の食材を検査する態勢がほとんどの自治体で整ったことから支払わない方向だ。
 県は7月に東電に請求した損害賠償額に、コメや牛肉、野菜、魚介類などの食品検査の機器購入や外部委託費用として約1億3千万円を盛り込んだ。市町村が独自に実施している食品検査に関する費用も対象になるとみられる。
 県原子力損害対策課は食品検査が支払い対象に含まれたことに「前進と受け止めるが、他の項目が支払われるよう協議を続ける。東電はスピード感を持ち対応すべき」と求めた。郡山市の担当者は「一定の評価はするが、賠償対応が全体的に遅い」と指摘した。
 食品モニタリングの経費を賠償の対象と決めるまで時間を要したことについて、県関係者は「東電は避難者ら個人への賠償の対応を優先しており、意思決定が遅れたのではないか」とみている。

■風評対策や税収減、人件費増 県、賠償求める

 県は自治体の風評被害対策や環境放射線量測定、税収の減少、人件費の増加なども損害賠償の対象とするよう求めている。東電は項目ごとに順次、支払いの可否など対応を示すものとみられる。
 県は企業会計の減収分として県立大野病院の逸失利益、下水道の汚泥保管費用など約28億5千万円を請求し、これまでに約8億4千万円の支払いを受けた。
 この他、税収減やモニタリング費用など一般会計関連の損害賠償として7月に約63億3千万円を請求し、全額の支払いを求めている。

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