東日本大震災

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夜の森の桜に集おう まつり来春、一部復活 富岡 町民のよりどころ

来春に一部が立ち入り可能となる富岡町夜の森地区の桜並木=4月19日

 富岡町は東京電力福島第一原発事故前まで毎年4月に開催していた「夜の森桜まつり」を来春、規模を縮小して復活させる。町は3月末までに避難区域が再編される予定。「桜のトンネル」として有名な桜並木の一部が立ち入り可能になる。東日本大震災から3度目の桜の季節...。原発事故後も咲き誇る桜に古里再生への思いを重ね合わせる。町民の心にも「春」が訪れる。
 桜並木はリフレ富岡を起点に6号国道までの東西方向と、富岡二中までの南北方向の全長約2・5キロ。樹齢100年を超えるソメイヨシノを含む約400本が立ち並ぶ。桜並木がある夜の森地区には約1500本の桜がある。
 警戒区域の再編によって、桜並木のほとんどはバリケードで入ることができない「帰還困難区域」になるが、300メートル程度の区間は日中、自由に立ち入ることができる「居住制限区域」となる。
 遠藤勝也町長は「多くの町民に桜を見てもらいたい。桜まつりに近いものを企画する」との考えを示す。年明けにも実施できる内容を詰め、時期や開催方法などの検討を始める予定だ。
 避難生活が長引く町民の心のケアに結び付けるとともに、古里への思いをつなぎ留めるのが狙い。「桜を見て、一人でも多くの町民が帰りたいと思ってほしい」と期待する。
 震災から1年9カ月が過ぎ、夜の森の桜を懐かしむ町民は多い。「夜の森の桜は町民の心のよりどころ」。茨城県守谷市に避難する主婦渡辺カツ子さん(75)の自宅は桜並木のすぐそばで、震災前までは毎年、桜のトンネルを通った。淡いピンクの美しさに心を奪われる。「桜にはたくさんの思い出が詰まっている。もう一度あの景色を見たい」と願う。
 郡山市の仮設住宅で暮らす無職三瓶容子さん(77)も毎年桜を観賞していた一人。「避難生活の中でも、あの桜を見れば元気が出てくるはず。(一部だとしても)また自分の目で見たい」とほほ笑んだ。

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