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生活拠点基金・帰還支援基金創設へ 県、原資約300億円を国に要望

 東京電力福島第一原発事故に伴う長期避難者の町外コミュニティー(仮の町)整備、住民帰還を後押しするため、県は「生活拠点基金・帰還支援基金(仮称)」の創設に向け検討に入った。佐藤雄平知事は年明けに、原資として300億円を確保するよう政府に要望する。県は医療など住民福祉サービス機能の強化、雇用対策などを想定している。ただ、国の平成24年度補正予算には経済再生など復興以外の目玉施策も多いとみられ、要望通りに財源を確保できるかが課題だ。(4面に関連記事)
 生活拠点基金の目的の一つは、仮の町の受け入れ市町村での避難住民への福祉サービス施設整備だ。仮の町に数10~100世帯余の単位で移住すれば、病院や介護施設など既存の関連施設だけでは不足が懸念される。このため、事業者が施設を新設、増改築する際に助成する財源を確保したいとしている。
 県営災害公営住宅で住民が交流するスペースの整備、高齢者の孤立化を防ぐための心のケアや安全対策に必要な経費なども視野に入れる。仮の町は富岡、大熊、双葉、浪江4町が明確に打ち出し、福島、会津若松、郡山、いわき、二本松5市が受け入れを決めている。
 一方、帰還支援基金は、既に避難指示が解除され帰還できる広野町や川内村の他、昼間の滞在が可能な避難指示解除準備区域で住民帰還を促進させるのが狙い。これらの地域は商店や働く場の消失、農地荒廃などが課題で、帰還が進んでいない。県は必要な施設の整備、農地復旧、福祉や教育の機能復旧などに充当したい意向だ。
 福島復興再生基本方針には原発事故の被災者に対し国が責任を持って対応すると明記され、安倍晋三首相も本県再生に政府を挙げて取り組む考えを表明している。県はこうした状況を捉え、基金造成を求める。
 基金という形で財源確保を要望する背景には、避難指示解除準備区域や居住制限区域、帰還困難区域の解除まで数年~5年余かかるとみられ、単年度予算では対応できないためだ。また、現場の裁量で使途を決めることができる基金制度が有効と判断した。

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