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放射線 放射性物質 Q&A 染色体異常どのように調べる

 放射線被ばく量を測定する検査の中に、染色体の異常を調べるという方法を聞いたことがあります。染色体の異常はどのように発生し、検査では何をどうやって調べるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■血液中のリンパ球を検査低線量被ばくだと限界も

 染色体は細胞の中の核にあり、細胞が分裂して次の世代の細胞ができる時の設計図の働きを持っており、遺伝子(DNA)と、それに結合するたんぱく質から構成されています。比較的高い線量の放射線を一度に被ばくすると、遺伝子に傷がつきますが、それによって染色体の構造に変化が見られることがあります。
 広島や長崎の原爆の被爆者の中でも、高い線量を被ばくされた方の染色体を観察すると、通常とは異なる形の染色体や、染色体の断片などが観察されることがあります。このような染色体の異常の頻度は、放射線被ばくに特異的に観察され、しかも被ばく線量の増加に伴って上昇します。このため、それを顕微鏡で見て数を確認することで、被ばく線量、特に全身の被ばく線量を推定することができます。
 染色体異常分析は、血液から分離されるリンパ球という細胞を用いるため、採血で検査でき、高線量を全身に被ばくした際に線量を推定する方法として重要です。
 しかし、染色体異常分析法には限界もあります。専門的な知識と技術が必要であるため、現時点で実施できる機関は日本でもごく限られています。また、放射性ヨウ素や放射性セシウムから出るガンマ線による染色体異常を分析しようとする場合、その検出限界の被ばく線量は約200ミリシーベルトです。このため、それより低い線量の被ばくの場合には、染色体異常分析法では、線量の推定が難しくなってしまいます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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