東日本大震災

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おおらかだった妻 しっかり者の長男

■相馬市磯部 堀千代子さん 64 武美さん 43
 震災当時、自宅にいた千代子さんは高台の磯部中に避難する途中で、長男武美(たけみ)さんは相馬市内の勤務先から車で自宅に戻る間に、それぞれ津波に巻き込まれたとみられる。震災後間もなく、2人は同市日下石地区の田んぼで発見された。
 千代子さんは夫の亨一(きょういち)さん(66)と武美さんの3人暮らし。「何1つ愚痴をこぼさない、おおらかな女性だった」。亨一さんにとって自慢の妻だった。
 千代子さんは同市岩ノ子の民宿で生まれ育ち、19歳で亨一さんと結婚した。亨一さんが友人らを自宅に招くと、いつも快くもてなした。亨一さんが出掛ける時は、運転手として付き添った。結婚して45年で、金婚記念に予定していた1泊2日の温泉旅行を楽しみにしていた。
 武美さんは温厚で、しっかり者だった。4人兄弟でただ1人、地元に残ることを決めた。相馬農高を卒業した後、市内の機械組立関連の会社に入った。「親の面倒を見るつもりだったのかな」。亨一さんは息子の優しさを感じている。
 亨一さんは現在、自宅に近い田畑で、がれきを集める作業に従事している。「いつまでも悲しんでばかりいられない」。寒空の下、手を動かした。

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