東日本大震災アーカイブ

新堤防 整備が急務 56カ所かさ上げ 富岡、大熊 双葉、浪江 避難区域手付かず

 本県の海岸線の延長は約163キロ。震災の津波で多くの堤防が損壊した。県によると、東京電力福島第一原発から20キロ圏内の南相馬市小高区から楢葉町にかけての海岸を除く市町の56カ所で堤防などが被災した。
 県は外部の有識者を交えた県海岸における津波対策等検討会を設け、本県に襲来した津波の高さを分析。新堤防の高さを震災前の6・2メートルから、ほとんどの地域で1メートル高い7・2メートル、広野、楢葉、富岡の各海岸では2・5メートル高い8・7メートルとする方針を定めた。
 県による海岸堤防の復旧事業は昨年11月、いわき市久之浜町久之浜地区、同市勿来町関田地区の2カ所で始まった。久之浜は延長2・14キロのうち約1・1キロ、関田は2・7キロのうち約0・75キロが今年度の事業計画に盛り込まれている。同市の新堤防整備事業の総延長は約27キロで、残る部分は平成25年度の着工を目指している。27年度末までに市内全ての工事を終える予定。
 県内では着工済みの2カ所を含む26カ所で災害査定を終了し、測量・設計や沖合の消波ブロック、離岸堤の修復などの関連工事に着手した。25年度以降に順次、破損した堤防の取り壊し作業に取り掛かる。残る30カ所は災害査定を終えている。
 避難区域の再編を経て南相馬市小高区と楢葉町では順次、災害査定が行われている。ただ、福島第一、第二の両原発周辺の富岡、大熊、双葉、浪江の避難区域の4町の海岸は査定すらできず、手付かずの状態だ。

カテゴリー:震災から1年10カ月

いわき市久之浜地区の海岸堤防。紅白の木で示されている高さまでかさ上げされる。