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放射線 放射性物質 Q&A エックス線検査の仕組み、被ばく量は

 放射線を活用した例で最も身近な存在であるものの1つに病院などで受けるエックス線撮影があります。これはどのような仕組みで撮影ができるのでしょうか。また、被ばく量はどの程度なのでしょうか。

【回答者】 県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■組織を透過しフィルム感光胸部撮影1回で50~100マイクロシーベルト

 医師が患者を診察する際、聴診器を用いたり、打診をして音を聞くことで体の中の変化を観察しますが、それだけでは体の中の変化を十分に捉えられないことがしばしばあります。その際に有用な手段の1つにエックス線写真などの放射線診断法があります。
 エックス線は比較的透過力の強い放射線で、空気はほとんどエックス線を吸収せずそのまま透過します。しかし、骨ではその多くが吸収されます。このため、胸部にエックス線を当てると、肺など空気を多く含む組織ではほとんどが透過することから、感光するフィルムを体に当てておくと、肺に相当する部分にはエックス線によってフィルムが感光して黒く写ります。その一方で骨などがある部分ではエックス線が吸収されますので、あまり感光されずに白く写ります。
 体の中の臓器(組織)は、それぞれエックス線の吸収率が異なりますので感光される度合いも異なり、そのコントラストが胸のレントゲン写真という形で写し出されます。肺に炎症が生じた場合、炎症部分は通常の肺の組織とは異なるエックス線の吸収率になりますので、画像は正常の部分と異なって描出されます。
 このようにエックス線を体に照射することによって、通常は見ることのできない体の中の構造、病変を知ることができるのです。胸部エックス線写真を1回撮影した際の外部被ばく線量は約50~100マイクロシーベルトとなります。

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