東日本大震災アーカイブ

試験栽培米販売へ 南相馬市

試験田の考え方などを説明した会議

 平成25年産米の作付けを全域で見合わせる南相馬市は25年度に市内で実施するコメの試験栽培について、東京電力福島第一原発から20キロ圏外の試験田で栽培し全量全袋検査で食品衛生法の基準値以下のコメを生産者が販売することを認める考えを示した。市は国などと協議し、今月中に方針を決定する。8日、市内で開かれた市地域農業再生協議会で説明した。
 市は20キロ圏外の試験田について、各ほ場で面積の制限を設けず農家に試験栽培への協力を求める。収穫されたコメは全袋検査の結果、基準値を下回ればJAなどに出荷でき、自家保有米として保管することも可能だとしている。
 20キロ圏内の旧警戒区域では、各所で10アールごとの試験田を設け、栽培したコメは放射性物質を検査するコメを除きほ場の土壌に戻す。
 同市の25年産米の生産数量目標となる面積は約4853ヘクタールに上る。市は25年度の試験田の面積について、24年度に市内全域で実施した計15ヘクタールの6倍となる計90ヘクタールほどに拡大したいとしている。