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放射線 放射性物質 Q&A 福島第一原発事故、チェルノブイリとの違いは

 1986年のチェルノブイリ原発事故と、一昨年の東京電力福島第一原発事故では多くの放射性物質が地域に放出されました。それぞれの放射性物質にはどのような種類があり、どのような違いがあるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■放射性物質放出は7分の1暫定基準設定で被ばく低減

 チェルノブイリ原発事故では、およそ250万テラベクレルの放射性物質が環境中に放出したとみられています。福島第一原発事故については、今後さらに詳細な調査の必要がありますが、チェルノブイリの7分の1程度の放射性物質が放出されたと考えられています。
 放出された放射性物質の量は違いますが、種類には共通点があります。半減期の短い放射性ヨウ素が放出量の9割近くを占め、残りの多くが、半減期が比較的長い放射性セシウムであったということです。
 一昨年の原発事故から2週間後に、長崎大が県内の土壌中の放射性物質を測定すると、放射性ヨウ素と放射性セシウムの割合は5対2程度でした。放射性ヨウ素の多くを占めるヨウ素131の半減期は約1週間(8日間)ですので、測定の2週間前の事故当初は放射性ヨウ素と放射性セシウムの割合が20対2程度、つまり放射性ヨウ素が放射性セシウムの約10倍だったことが推測できます。
 しかし、チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故の最も大きな違いは、福島第一原発事故では直後から暫定基準値が設定され、これを上回る食物や牛乳、飲料水の摂取制限、流通制限が行われたことです。これによって事故当初存在していた放射性ヨウ素による内部被ばく、特に甲状腺の内部被ばくの低減化がなされました。このような措置を行わなかったチェルノブイリの教訓を踏まえた対応です。

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