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放射線 放射性物質 Q&A 「放射性ヨウ素で治療」とは

 東京電力福島第一原発事故で放射性ヨウ素が県内に飛散し、甲状腺がん発症への影響が懸念されていますが、一方で放射性ヨウ素を病気の治療などに使うことがあると聞いたことがあります。本当でしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■甲状腺の病気に使用米国では一般的治療

 ヨウ素は甲状腺ホルモンをつくる材料となるため、体内に入ると甲状腺に集まりやすい性質があります。その性質を利用し、放射性ヨウ素を甲状腺の病気の診断や治療に使うことがあります。
 甲状腺ホルモンがたくさん出る状態にある「甲状腺機能亢進(こうしん)症(バセドウ病)」の患者は、一般的に抗甲状腺薬という、甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を内服したり、手術によって甲状腺を摘出することでホルモンのレベルを調整します。しかし、薬によるホルモン調整が難しかったり、副作用が出現したり、手術を希望しないなどの場合は、放射性ヨウ素を使った治療をすることがあります。これを「アイソトープ治療」と言います。
 実際のアイソトープ治療は、放射性ヨウ素が入ったカプセルを1回内服するだけという極めて簡単な治療法で、副作用もほとんどなく、外来での治療も可能です。また、これまでアイソトープ治療によってがん発生や奇形増加などの報告もありません。
 日本ではこの治療を行える施設が限られていることもあり、あまり一般的ではありませんが、米国ではバセドウ病患者の8割以上がアイソトープ治療をしており、極めて一般的な治療といえます。ただし、放射線に対する感受性も考慮した上で、妊婦や妊娠の可能性がある女性、近い将来妊娠する可能性がある女性、授乳している女性、さらには原則として18歳未満の方にはアイソトープ治療はしていません。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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