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今を生きる  命の恩人と再会喜ぶ 福島の仮設 津波から小路、箭内両巡査部長に救われた

右から小路巡査部長、箭内巡査部長と笑顔で再会を果たした金井夫妻

■金井一重さん67、妻春子さん63(浪江)
 浪江町中浜の無職金井一重さん(67)、春子さん(63)夫妻は2年前の東日本大震災発生時、自宅近くで津波にのまれる寸前で警察官2人に救出された。名前も知らない命の恩人に会いたいとずっと思っていた。27日、夫妻が身を寄せる福島市の北幹線第一仮設住宅に捜し続けた警察官が訪れ、再会を果たした。
 「名前もお礼も言えなかった。ずっと捜していました。ありがとうございました」。春子さんの目には涙が浮かんだ。命の恩人は当時、双葉署浪江分庁舎に勤務していた小路輝巡査部長(34)=会津若松署刑事二課主任=と箭内茂房巡査部長(36)=災害対策課警備第一係主任=だった。2人は「元気で良かった。安心しました」と声を掛けた。「これからの避難生活の励みになった。私たちも困っている人がいれば助けたい」と一重さんと春子さんは表情を緩ませた。
 震災当時、一重さんは海岸から約200メートルの自宅、春子さんは勤務先の会社にいた。春子さんは一重さんが心配で自宅に戻ると、警察車両の拡声器から「津波が来るから逃げろ」「はだしでいいから逃げろ」と呼び掛ける声に気付いた。一重さんと自宅を飛び出した。一重さんはパジャマ姿ではだしだった。
 小走りで約50メートルほど逃げたところで警察車両が止まり、警察官2人から「早く来んせ(来て)」と呼ばれた。その声に勇気づけられ、警察車両に飛び乗った。津波が目の前まで迫っていた。同町の丈六公園に無事避難すると、2人は「私らは任務があるので失礼します」と敬礼して去っていった。
 福島市に避難後、夫妻は命の恩人になんとかして感謝の気持ちを伝えたいと思い続けた。仮設住宅で巡回する福島北署員に相談し、2人のことが分かった。
 箭内巡査部長は「当たり前のことをしただけだが、感謝されることは警察活動を行う上で、一番の活力になる」と語り、小路巡査部長は「今後、大きな災害があったときの行動に生かしたい」と話している。

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