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今を生きる 手作りパン復興応援 27日新店舗「地域のため」

石窯の前で気持ちを新たにする内山さん(左)、妻の美由紀さん(左から2人目)とスタッフ

■郡山の「ウォルト」店主 内山幸二さん 44

 郡山市の手作りパンの店「ウォルト(WALT)」店主の内山幸二さん(44)はパンの製造・販売を通じて地域の復興を後押ししようと、27日に市内富久山町八山田に念願の新店舗をオープンさせる。東日本大震災では、発生から3日後に市内のテナント営業店で販売を再開し、大勢の市民に感謝された。新店舗は建物を自前で建て、「手作りパンで避難者や市民を応援したい」と決意を新たにしている。
 内山さんは郡山市出身。郡山北工高卒業後、市内のパン屋で修業した。10年前に妻の美由紀さん(44)と独立し、市内八山田のテナントビルに店を構えた。手作りをモットーに、生地から練り上げ、国産小麦を使った食パンや発芽玄米パンなどをそろえ、幅広い客層から人気を得た。6年前にはJR郡山駅前のモルティに2号店をオープンさせた。
 震災時は3日後からモルティ店での販売を再開した。「大変な時こそ、いつもと変わらないパンの味を届けたい」と、内山さんは材料確保に奔走し、スタッフや取引先の仕入れ業者の協力で販売にこぎ着けた。スーパーやコンビニで食料品不足が続く中での再開に、多くの客が「こんな時に店を開けてくれありがとう」と感謝の言葉を口にしたという。一部損壊した八山田店は約1カ月後に営業を再開した。
 新店舗の計画は震災前からあった。東京電力福島第一原発事故の影響で県内から人口流出が続き、先行きが不透明な中で一度は断念しようと考えたが、震災時にパンを求める市民の姿が脳裏をよぎった。「新店舗でお世話になった人に恩返しし、街の活性化に少しでも貢献したい」と決意。金融機関から融資を受けオープンに踏み切った。新店舗開店に伴い、モルティ店と八山田店は2月に閉鎖した。
 新店舗では、よりおいしいパンを作るため石窯を導入した。さらにナポリピザをメニューに加え、マルゲリータとマリナーラの2種類を販売する予定だ。内山さんは「地域の人により親しんでもらえる店にしたい」と話している。
 「WALT」は郡山市富久山町八山田字三宝坦4。電話024(935)0603。

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