東日本大震災

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原発再稼働「総合的に判断」 首相来県し言及 安全前提、復興へ必要訴え

安倍晋三首相は24日、郡山市で記者団に、原子力発電所の再稼働は安全確保が前提とした上で「低廉で安定的な電力供給がないと復興は難しい。総合的に判断する」と述べ、復旧・復興を念頭に原発の必要性を訴えた。東京電力福島第一原発事故を受け県と県議会が県内原発の全基廃炉を求める中、就任後初めて県内で国内原発の再稼働について自らの考えを明らかにした。避難区域再編を控えた富岡、浪江両町の被災状況も視察した。
 安倍首相は富岡、浪江両町の視察後、記者団の取材に応じた。原発再稼働について「あらためて原発の被害について大変な影響があったことを再認識した。こうした状況を頭に入れながら、しっかりと安全を確保し判断する」と語った。
 一方、「低廉で安定的な電力供給がないと、復興はなかなか難しいという中において総合的に判断する」と述べ、復興を進めるためには原発稼働による電力の確保が必要になるとの考えを示した。ただ、再稼働を想定する原発の具体名には言及しなかった。
 安倍首相は先月、衆参両院本会議で行った初めての施政方針演説で、エネルギーの安定供給とコスト低減を図る立場から、安全性を前提に原発を再稼働する方針を明言している。福島第一原発を昨年末に視察した際には、事故の起きた1~4号機の廃炉を全面支援する考えを示す一方、民主党の原発ゼロ目標を見直す考えを表明していた。

■県「県外原発を想定」

 安倍首相の郡山市内での発言について、県内全基の廃炉を求めている県の幹部は「首相は県民感情をよく理解している。再稼働を想定しているのなら間違いなく県外の原発だ」と述べた。
 県内全基の廃炉を求める請願を採択した県議会の斎藤健治議長は「首相発言は県内の原発について言及したのではないと受け止めている」と語り、衆院選の独自政策集に県内10基の廃炉を盛り込んだ自民党県連の平出孝朗幹事長は「日本のエネルギー政策全体を念頭に発言したのだろう」との見方を示した。
 東京電力は福島第一原発5、6号機と福島第二原発1~4号機の冷温停止中の計6基の方向性は未定としている。

■富岡駅や浪江の商店街など 被災状況を視察

 富岡町に入った安倍首相は遠藤勝也町長の案内で、津波被害を受けたJR常磐線富岡駅と周辺の被災状況などを見て回り、復興の加速化を約束した。
 遠藤町長ががれき置き場用地確保への支援を要請したのに対し、安倍首相は「要望にできる限り応えるよう努力したい」と語った。浪江町ではJR浪江駅前商店街の様子を視察した。
 安倍首相は富岡、楢葉両町の境界に設けられた検問所で、現場の警察官を激励した。郡山市に移動し、風評被害の中で営農を続ける鈴木農園と武田ファームを視察。子どもの屋内遊び場「ペップキッズこおりやま」も訪れた。
 根本匠復興相(衆院本県2区)、森雅子少子化担当相(参院本県選挙区)が同行した。

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