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【東電 財物賠償手続き開始】 「一歩前進」「不安尽きず」 被災者の声 さまざま

週に1回程度、楢葉町井出の自宅に帰るという岩浜さん。自宅の改修に向け迅速な賠償を求めている=29日午後3時ごろ

 東京電力が福島第一原発事故に伴う財物賠償の手続きを始めたことに対し、避難生活を送る被災者から十分な賠償額の支払いと手続きの簡素化を求める声が上がった。
 会津若松市に避難している大熊町の無職中野正彦さん(65)は、「賠償金で全て解決するわけではないが、まとまった資金がなければ次の生活拠点に移行できない」と述べ、手続き開始を「一歩前進」と評価した。ただ、「手続きが複雑では困る」とし、住民が申請しやすい仕組みにするよう求めている。
 一方、楢葉町井出の農業岩浜正さん(76)は「賠償額はいくらで、いつ支払われるのか分からない。不安は尽きない」と話す。将来は自宅を改修して住む考えで、いわき市の借り上げアパートから週1回ほど戻り、室内の整理や庭の片付けに汗を流している。「賠償額が少なかったり、支払いが遅れれば改修に影響する」と心配そうに語った。
 双葉町からいわき市の南台仮設住宅に避難している会社員福田一治さん(41)は、「(東電が示す)資産評価が低い。生活再建を描けない」と不満を漏らす。富岡町から郡山市の若宮前仮設住宅に避難する無職遠藤友子さん(67)は新たな住宅に移ることを考えているが、「東電の賠償額では難しいのではないか」と指摘した。
 一方、二本松市に避難している浪江町の無職竹石初男さん(67)は、賠償ではなく東電が家と土地を買い取るよう求めている。自宅は4月1日から帰還困難区域となるため「もう当分帰れない。買い取ってもらい、娘の家族がいる南相馬市に移りたい」と語った。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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