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激動の2年復興尽力 大熊町の課長職4人退職

見送りを受ける横山さん(中央左)、鈴木さん(同右)ら退職者

 大熊町の退職辞令交付式は29日、会津若松市の町役場出張所で行われ、激動の2年間、町政を支えてきた課長職4人が退いた。渡辺利綱町長らは粉骨砕身の貢献に感謝し、涙で見送った。4人は4月1日に開設される町内拠点に駐在するなど、引き続き復興に携わる。

 総務課長の鈴木久友さん(60)、出納室長の岡田範常さん(60)、復興事業課長の横山常光さん(60)は町内の坂下ダム管理事務所に開所する町役場現地連絡事務所の駐在員を務める。企画調整課長の秋本圭吾さん(60)も臨時職員として町の復興施策を助言する。

 渡辺町長は4人を含む退職者6人に辞令を手渡し「町民を守るため尽力してくれた。別れは寂しい」と声を詰まらせた。退職者は見送りの後輩職員らと握手を交わし、出張所を後にした。

 鈴木さんは東京電力福島第一原発事故の避難中、マイクロバスの中で町議会を開き、災害対応の予算執行への了解を取り付けたことが最も思い出に残るという。避難拠点を置くことになった会津若松市にいち早く入り、役場や学校施設の確保にも奔走した。「課長に就いた時、町長と一蓮托生(いちれんたくしょう)を誓った。町民のため、無我夢中だった」と振り返った。

 横山さんは仮設住宅の整備や先行除染に携わり、町が再建を加速させる道筋を付けた。1日からの現地事務所勤務を「最も早く町に戻ることになる。古里に帰れるんだということを印象づけたい」と語った。

 岡田さんは町の出納管理を担った2年間を「緊急事態で金額も通常とは比べものにならなかったが、何とかやりくりした」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 一方、秋本さんは「原子力の安全性をチェックする立場として、地震や津波対策が本当に大丈夫か、という住民目線に欠けていた。申し訳ない」と語った。この2年間も「復興に向けた方針を、もっと決めておくべきだった」とし、「古里の大地を取り戻してほしい」と後進に期待を寄せた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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