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今を生きる 新たな農業に挑む オープンへ準備着々

26日のオープンセレモニーを前に打ち合わせを行う(左から)兼子さん、早川社長、渡辺さん

■川内の野菜工場 若手社員 渡辺径さん26 兼子まやさん27
 「帰村宣言」した川内村の雇用の場として期待される野菜工場「川内高原農産物栽培工場」は26日のオープンに向け着々と準備が進められている。その中に村出身の渡辺径(けい)さん(26)と千葉県船橋市出身の兼子まやさん(27)の2人の若手社員の姿がある。「可能性に挑戦したい」。2人は新たな農業に懸ける思いを口にした。
 渡辺さんは川内中、いわき光洋高を経て山形大工学部を卒業し、東京の民間会社にシステムエンジニアとして就職した。いずれ古里にUターンするつもりだったという。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が転機になった。村内に野菜工場が計画され社員を募集していることを家族から聞き迷わず応募した。
 平成24年7月から千葉大や関係メーカーで研修するなど9カ月間にわたり専門知識を学んだ。農業経験はないが「新鮮な気持ちでいろいろなことを試したい」と話す。
 兼子さんは千葉大園芸学部を経て同大大学院園芸学研究科を平成25年3月に卒業、主に養液栽培を専門に研究した。同大は太陽光や人工光を活用した水耕栽培の実証施設などを完備する国内トップ級の研究機関だという。就職先に川内村を紹介され「これまでの研究成果を生かせる場。期待に応えたい」と村への移住を決めた。
 野菜工場は完全密封型の水耕栽培で、発光ダイオード(LED)と蛍光灯を使い葉物類を栽培する。施設の管理費や品質の維持、流通ルートの確立など課題はあるが年間を通し栽培し出荷できるメリットは大きい。
 野菜工場の運営会社「KiMiDoRi」の早川昌和社長(56)は「20年、30年先を見据え、川内でサイエンス農業を確立しなければならない。世界一の野菜工場にするために若い力は必要」と期待する。

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