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「設計図は最終処分場」 中間貯蔵施設会議 専門家が不備指摘

 県の「中間貯蔵施設に関する専門家会議」の第1回会合は28日、福島市の杉妻会館で開かれた。専門家からは東京電力福島第一原発事故に伴う汚染土壌を将来的に中間貯蔵施設から最終処分場に運ぶための掘削方法の説明が不十分などとする意見が出された。
 廃棄物が専門の小野雄策日本工業大教授は「(中間貯蔵施設の)設計図からは最終処分場に見える。(最終処分場に搬出する際の)掘削する方法も明示すべき」と指摘。環境省の担当者は「まずは施設の安全性に最大限配慮している。掘削方法は今後、検討したい」と答えた。
 中間貯蔵施設に汚染土壌などを運び込むための交通対策について同省は「最大の課題の1つ。新たな道路が必要になるのかを含め、今後考える」とした。施設から汚染土などが漏れ出る可能性についての指摘に対しては「漏れ出た場合の技術的、社会的影響を検討したい」との考えを示した。
 会議は水質や放射性物質研究などが専門の大学教授ら6人で構成し、環境省が実施する現地調査結果などを独自に分析、検証する。会議には双葉郡8町村の担当者も出席した。建設候補地が6カ所ある大熊町の池沢洋一企画調整課長は「(国から)具体的な説明がない。会議の議論だけで満足せず、住民の声もしっかり聞いてほしい」と注文した。
 環境省は楢葉、大熊、双葉3町の計9カ所を中間貯蔵施設の建設候補地に挙げ、平成27年1月の供用開始を目指している。楢葉町で今月9日、大熊町で同23日から現地調査が始まった。水質や地下水位、岩盤の硬さなどを把握するボーリング調査などを3カ月掛けて実施する。双葉町の現地調査は始まっていない。
 会議の構成委員は次の通り。
 小野雄策(日本工業大教授)川越清樹(福島大准教授)佐藤洋一(日本大専任講師)田中知(東京大大学院教授)吉岡敏明(東北大大学院教授)吉田樹(福島大准教授)

■専用道の整備提案 吉田福大准教授「交通渋滞必至」

 交通計画が専門の福島大経済経営学類の吉田樹准教授は、中間貯蔵施設への汚染土壌などの搬入に伴う交通渋滞の発生を懸念し、専用道路の整備を提案した。
 吉田准教授によると(1)道路が直線(2)信号がない(3)坂道やカーブがない-などの「理想条件」を基に、コンピューター上で算定した片側一車線道路の乗用車の通行可能台数は1時間当たり2500台程度になると試算した。
 一方、廃棄物運搬に用いられる大型トラックは乗用車に比べ加速で劣ることや、復興関連業務による交通量の増大で、1時間当たりの通行可能台数は500~600台になると想定した。吉田准教授は現在の双葉郡周辺の道路環境を想定し、「交通渋滞は必至。新たな道路を整備する必要がある」と語った。

■30センチの覆土で放射線98%遮蔽 コンクリートは99%

 環境省は会議で、汚染土壌などの上に厚さ30センチの覆土で98%の放射線が遮蔽(しゃへい)されるとの考えを示した。厚さ30センチのコンクリートは99%の遮蔽効果が見込まれ、「汚染土壌などの搬入量、放射性物質濃度に応じて最適な厚さ、手法を考えたい」としている。
 覆土により空間放射線量は周囲よりも低下すると推定している。

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