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今を生きる 8月「エデンの東北」で初舞台 石川出身の深谷さん原作 演技で県民笑顔に 準主役級射止める

制作発表で初舞台への抱負を語る横田さん

■ジュノン・ボーイ審査員特別賞 川内から神奈川に避難 横田龍儀さん 18

 東京電力福島第一原発事故により川内村から神奈川県に避難している芸能事務所所属の横田龍儀(りゅうぎ)さん(18)は8月に東京都中央区の三越劇場でミュージカルの初舞台に挑む。石川町出身の漫画家深谷かほるさん(50)の「エデンの東北」で準主役級を射止めた。「早く活躍する姿を川内村の人に見てもらえるよう頑張りたい」。遠く離れた古里への思いを胸に夢への第一歩を踏み出した。
 「古里の福島を舞台にした作品で強い思い入れがある。うまく演じられるか不安もあるが精いっぱいの演技をする」。80年余の歴史のある三越劇場。4日、制作発表に臨み、初舞台への決意を語った。
 双葉翔陽高の1年生だった時、東日本大震災と原発事故が発生。両親と共に川内村下川内の実家から姉が住む神奈川県のアパートに避難した。「自然が美しく人柄が温かい川内村が大好き。離れなければならないことがつらかった」。葛藤を抱えながらも避難先の神奈川県の高校への転学を決めた。
 見知らぬ土地での生活に戸惑っていた時、多くの有名人が被災地を訪れ避難者を励ましている姿を見た。原発事故で落ち込んでいる村の人たちを笑顔にできる存在になりたい-。幼いころから漠然と憧れていた芸能界に進むことを決意した。
 昨秋、雑誌社が主催する「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で1万3816人の選考を勝ち抜いた。最終選考では、幼いころ村の神社で演じた伝統芸能「町獅子」を披露し、古里への思いを表現。4番目に当たる審査員特別賞を獲得し、夢への道を切り開いた。
 ミュージカルでは、恋に悩む美男子の高校生「織田くん」役を務める。今回の舞台の他、今月制作が始まる映画への出演も決まった。「目標は俳優の佐藤健さん。離れ離れになっている古里の人の心を結び付けられるような作品を仕上げていきたい」と力を込めた。
   ◇    ◇
 ミュージカルには多くの本県関係者が携わっている。原作の深谷さんの他、音楽・演出を神尾憲一さん(いわき市生まれ)が担当。出演者には深雪さなえさん(郡山市出身)や、すみたにちほさん(いわき市出身)がいる。
 制作発表であいさつに立った深谷さんは「出演者は漫画より魅力的なキャラクターの人ばかり。楽しいミュージカルになるはず」と期待を込めた。
 公演は8月7日から14日まで、東京都中央区の日本橋三越本店本館内にある三越劇場で開かれる。午前11時半からと午後3時からの1日2回公演で料金は4000円。問い合わせはライトリンク・ミュージック 電話03(5822)0318へ。
※エデンの東北 石川町出身の深谷かほるさんが平成2年に連載を開始したマンガ。1970年代の東北の田舎町に暮らす4人家族を中心に据え、貧しくても愛情あふれた日常を描いている。マンガの中には石川町や本県ゆかりの商品や店舗が登場し、会話は全て福島弁で展開する。単行本は「織田くん」が主人公の高校編も含め計12巻発売され、累計発行部数は約20万部。現在は竹書房の月刊「まんがライフオリジナル」で連載している。

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