東日本大震災

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空から希望届ける 来月飛行のブルーインパルス 隊長が決意

東北六魂祭を前に松島基地で飛行訓練に臨むブルーインパルスのパイロット=10日

 福島市で6月1、2の両日、東北の代表的な祭りが競演する「東北六魂(ろっこん)祭」で、雄姿を披露する航空自衛隊の飛行チーム「ブルーインパルス」の田中公司飛行隊長(43)は10日、福島民報社の取材に対し「県民に希望、感動、笑顔を届けたい」と決意を語った。本拠地の松島基地(宮城県東松島市)が東日本大震災の津波で被災し、2年ぶりに古巣に戻ったばかり。被災地での帰還後初飛行に東北六魂祭を選んだ精鋭チームは、晴れ舞台でのフライトに、本県とともに復興を果たす願いを託す。
 「東北六魂祭を訪れた皆さんが空を見上げ、前向きな気持ちになるような演技を披露する」。田中隊長は東北六魂祭開催を前に、宮城県の松島基地で抱負を語った。
 松島基地は平成23年3月、震災の津波で冠水し、大きな被害を受けた。航空機全9機のうち1機が水没した。チームは同年5月から福岡県の芦屋基地に拠点を移し、活動を再開した。宮城県内に家族を残して赴任した隊員も多かった。必ず帰還できると信じ、互いに支え合いながら訓練に励んだ。
 練習環境が整い、今年3月に松島基地に戻った。地元の住民が涙を流して迎えてくれた。「多くの支援のおかげで帰還できた。深く感謝している」。大きな喜びを胸に訓練を再開した。
 一方で基地内の復旧は依然、完全ではなく、現在も土盛りなどの工事が進められている状況だ。
 基地に帰還後、被災3県のイベントで上空を飛ぶのは本県が初めてとなる。
 「東京電力福島第一原発事故で古里に戻れない人がたくさんいることに胸を痛めている」。隊員も基地に帰れないつらい日々を過ごした。何とかして避難者らを励ましたいという気持ちが込み上げる。
 「常に被災地の皆さんの心に寄り添いながら前に進みたい」。田中隊長は福島の空に、復興への道を共に歩むことを誓っている。


■1日は7演目予定
 ブルーインパルスの飛行は6月1日のパレード出発式に合わせ、約20分間行われる。七つ程度の演目を披露する計画だ。
 市街地上空のためアクロバット飛行はできないが、列に並んで飛ぶ「編隊航過飛行」を展開する。4機が約90センチの間隔で飛ぶ「ファン・ブレイク」などに加え、重ねた六つの輪を桜の花に見立てた「サクラ」やハートの真ん中に一本の矢を刺す「キューピッド」などスモークで大空にさまざまな形を描く演目も予定されている。
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 10日、松島基地で報道陣向けにブルーインパルスの訓練の様子が公開された。

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