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政府が賠償基準単価案 8月下旬請求受け付け想定

東京電力福島第一原発事故の財物賠償で、政府と東電は25日までに、方針が決まっていなかった田畑賠償の基準単価の素案をまとめた。対象は避難区域が設定された相双地方などの11市町村で、自治体内でも金額は異なる。田は一平方メートル当たり350円から1200円、畑は250円から1100円。実際の取引額を基に算定し、8月下旬の請求受け付けを想定している。農地の賠償基準が示されれば、避難生活を送る農家が将来設計する上での材料がほぼ出そろう。
 田の1平方メートル当たりの単価が最も高いのは大熊、浪江両町の一部で1200円。逆に最も低いのは南相馬市と楢葉町の一部の350円となっている。畑の最高額は浪江町の一部の1100円、最低額は南相馬、楢葉両市町の一部の250円だ。
 自治体内では「大字」や「字」などの一定地域ごとに単価を決める。地域内で複数の基準単価がある場合、高い方の基準単価を適用する。
 帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の3区域を賠償の対象としている。帰還困難は賠償額の満額、居住制限と避難指示解除準備は事故から6年で帰還した場合、満額で、5年目までは帰還時期に応じて減額される。
 相双地方に多いとみられる1万2千平方メートル(1・2ヘクタール)規模の田を所有する標準的な農家を例に取ると、単価が700円の場合、原発事故から6年を経過して帰還したケースで840万円が支払われる。
 政府は既に、関係自治体に田畑賠償の基準単価案を示している。今後、各市町村の意見を踏まえ最終調整する。単価案が示された自治体の関係者は「実際の取引事例が分からないので、今後、精査しなければならない」としている。
 町内全域が旧緊急時避難準備区域の広野町については基準単価案は示されなかった。宅地利用を目的に原発事故前に農地転用を許可されていた田畑については、宅地価格を参考に算定する方向で別途、検討している。
 一方、避難区域を除く地域でも、農地が放射性物質で汚染されたとして営農を放棄するケースが想定され、政府と東電の対応が注目される。

※財物賠償 東京電力は財物賠償のうち、宅地・家屋と家財については3月から支払いの受け付けを開始した。宅地・建物の賠償額の算定方式は(1)固定資産税評価額などを基に算定(2)家屋の図面などで算定(3)現地で評価-の3つの方法から申請者が選択する。田畑と山林の賠償については、算定方法が決まっていない。

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