東日本大震災

  • Check

双葉の復興誓う 避難区域再編で両竹区長の斉藤さん

自宅納屋で津波被害当時の状況を語る斉藤さん

 双葉町で東京電力福島第一原発事故による避難区域が再編された28日、日中の立ち入りが可能となった沿岸部の避難指示解除準備区域に住民が入り地域の状況を見て回った。一帯は津波で多くの住宅が流されたほか、道路、橋、上下水道など生活基盤が大きな被害を受け復旧の道は険しい。自宅に戻った両竹区長の斉藤六郎さん(75)は「課題ばかりだが、復興を進めたい」と誓った。
 避難先の茨城県つくば市の公営住宅から古里に戻った斉藤さんは、変わり果てた自宅の姿にため息をついた。納屋には津波をかぶった生活用品が積み重なっていた。しかし、落ち込んではいられない。区長として責任感が胸に湧き上がった。「町民は今後の生活に大きな不安を抱えている。区長として住民の要望を少しでも吸い上げ、町に届けていきたい」と力を込めた。
 一緒に帰還した妻公三子さん(72)は区域再編が町の分断につながると考え、当初は反対していたという。それでも「両竹から双葉を再生させていきたい」と前向きだ。
 避難指示解除準備区域の人口は町のわずか4%。大半を占める帰還困難区域が解除され住民帰還が本格化しない限り、沿岸部の生活再建も難しいとみられる。それでも、斉藤さん夫婦は愛する古里で一歩ずつ歩み出す。
 町は町復興まちづくり計画案で、両竹区を含む避難指示解除準備区域を復興に向けた準備拠点に位置付けている。町全体の除染やインフラ復旧の前線基地となる見通しだが、地域は津波で大きな被害を受けた。道路や橋、上下水道の復旧は始まっていない。

■「当分戻れない」「一律賠償を」 町民らの思い複雑
 双葉町の帰還困難区域の住民は複雑な思いを抱えている。
 いわき市で避難生活を送る自営業の男性(64)は借り上げアパートで書類の整理をしながら再編を伝えるテレビを見詰めた。「放射線量が高く、当分は自宅に戻ることは難しいだろう」と目を伏せた。
 町内での中間貯蔵施設の整備計画が住民帰還に大きく影響するとした上で、「整備を進めるなら、町民への一律賠償を検討してほしい」と訴えた。

東日本大震災の最新記事

>> 一覧