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放射線 放射性物質 Q&A 食事でヨウ素摂取し内部被ばくするか

 東京電力福島第一原発事故で放射性ヨウ素が放出されましたが、ヨウ素は自然界に存在し、身近な食品にも含まれていると聞きました。食事によってヨウ素を摂取することで内部被ばくをすることはないのでしょうか?

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■ほぼ全て放射能を持たない「安定ヨウ素」で問題ない

 放射性カリウムやウランなどが自然界にも存在するのに対し、自然界に存在するヨウ素は、天然のウランなどが核分裂をする際に生じるごくわずかのヨウ素129という放射性物質を除けば、ほぼ全てが放射能を持たない「安定ヨウ素(ヨウ素127)」という形で存在しています。逆に現在、地球上に存在する放射性ヨウ素は、ほぼ全てが人工の放射性物質です。
 原発事故の際に放出された放射性物質のうち、約9割が放射性ヨウ素(多くはヨウ素131)であり、残りの1割程度が放射性セシウムであったと考えられています。ヨウ素131の半減期は約8日間と短いため、事故から数カ月もするとほとんどがなくなってしまい、現在、土壌などから放射性ヨウ素が検出されることはありません。
 放射性ヨウ素は診断や治療の目的で、医療分野でも幅広く用いられていますが、これも人工的に合成されたものを使用しています。一方、安定ヨウ素を豊富に含む食材、例えば昆布やワカメ、魚介類などを摂取したからといって、放射性ヨウ素による内部被ばくをすることはありません。
 ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる大切な栄養素で、日本人は昔から昆布やワカメなどの海藻類を常食してヨウ素を摂取してきました。海藻類や海の魚の摂取が少ない地域ではヨウ素が不足しがちで、近年はヨウ素添加塩が普及しています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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