東日本大震災アーカイブ

母子ストレス低減 原発事故で福大研究チーム調査

 東京電力福島第一原発事故を受け、福島大共生システム理工学類の筒井雄二教授(実験心理学)らの研究チームが実施した県内の母親と子どもの心理的ストレス調査で、母親の放射線に対する不安とストレス、子どものストレスのいずれも前年の調査と比べて低減していることが分かった。筒井教授が12日、福島大で記者会見し発表した。
 調査は県内で比較的、空間放射線量の高い福島市内の小学校5校、幼稚園5カ園の児童・園児計1690人の母親を対象に今年1月に実施。母親の放射線への不安とストレス、子どものストレスに関するさまざまな質問をした。回答内容によって、不安やストレスが高いほど、数値が大きくなるよう点数化した。前回(平成24年1月)、前々回(23年6~7月)の調査時と比較すると各項目で前回と比べて点数が下がった。
 母親の放射線への不安の項目では「子どもに外遊びさせるか」との設問で、「させる」「ときどき」の回答が71・9%を占め、前回(46・0%)、前々回(33・3%)を大きく上回った。「洗濯物を外で干すか」との設問でも「外で干す」「ときどき」が61・2%で、前回(49・7%)、前々回(40・4%)より増えた。
 他に、母親のストレスの項目では「突然震災を思い出すか」「気分が落ち込むか」「仕事に集中しにくいか」など、子どものストレスの項目では「新たな活動に興味を持ちにくいか」「かんしゃくを起こすか」「一人を嫌がるか」などの設問に対する回答を基にストレスを評価した。

■県外の母親はさらに低い水準
 一方で、今回初めて県外の母親にも同様の調査を実施したところ、不安やストレスは本県と比べてさらに低い水準で、依然、県内の母親や子どもが放射線のストレスなどを抱える実情も浮かび上がった。
 不安やストレスの低減について筒井教授は「除染などで空間放射線量が下がっていることに加え、時間が経過して県内で生活するという気持ちが固まり、悩みや不安が軽くなった表れではないか」と分析した。