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今を生きる 被災者和ます替え歌 南相馬の仮設を慰問

自作の歌などを披露する佐藤さん(左)

■原町の自宅が津波被害 佐藤英明さん(64)

 自らも津波で被災した南相馬市原町区泉の佐藤英明さん(64)は仮設住宅を回り、語りや歌で被災者を慰めている。自らの被災体験を交えた人懐っこい語りと、被災者が思いを共有できる心境を織り込んだ替え歌が、長く自宅を離れたままの住民の心を和ませている。
 泉地区は津波で大きな被害を受け、畜産業を営んでいた佐藤さんの自宅も1階部分を流された。土砂除去などで多くのボランティアが訪れ、案内役を務める中、佐藤さん自身が歌う歌が評判を呼び、周囲から慰問を勧められた。今月から市内の仮設を回るようになり、13日は原町区の高見第1仮設住宅の集会所を訪れた。
 持ち歌の1つ、千昌夫さんの「いっぽんの松」では「陸前高田」を「南相馬」に置き換えて歌う。テープを流し「夢も暮らしもいつかは戻る その日は必ずくるからと」と歌うと、集まったお年寄りらは涙を拭いながら何度もうなずいた。「相馬盆唄」の替え歌や、自作の「仮設住宅の歌」はどこかユーモラスで、笑いも度々湧く。ほのぼのとした似顔絵も描いてプレゼントしている。
 「思ったより喜ばれて...」と照れくさそうな一方、場が与えられることに「自分も幸せになってきた」とやりがいも感じ始めている。無理せず少しずつ続けていくつもりだ。

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