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わが町自ら守る 防犯、防火へ巡回 30日 2年3カ月ぶり活動再開

パトロール実施に向けて資料に目を通す佐々木団長

■浪江町消防団

 浪江町消防団は30日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から約2年3カ月ぶりに町内での活動を再開する。4月1日に避難区域が再編され、日中の出入りが自由となった居住制限、避難指示解除準備の両区域内で防犯、防火パトロールに乗り出す。団員が全国各地に避難しており、当面の活動は週1回に限られる。それでも佐々木保彦団長(66)は「町民が帰還するまで続けていきたい」と古里を守る決意を新たにしている。
 「町内でパトロールを実施しよう」。団員らから声が上がったのは昨年秋ごろだった。町消防団は数回にわたって会議を開いた。会議では「町内の空間放射線量は大丈夫か」「遠くの避難先から集まるのは負担が大きい」などの意見もあった。
 だが、佐々木団長ら多くの団員は「自分たちの町は自分たちで守りたい」と町内での活動再開を決断した。マスクや防護服、線量計などの準備を始めた。
 町消防団は団員数約510人で、6つの分団がある。各分団が交代で毎週日曜日に町内に入り、午前10時から午後3時までパトロールする。
 団員は県内をはじめ、兵庫県や京都府、福井県など全国各地に避難している。避難区域が再編されたばかりで、町内に昼食を購入できる店もない。このため各団員は弁当持参で駆け付ける。
 町は交通費や手当として1回当たり1人7000~8000円程度を支給する。13日に開会した6月定例議会に消防費費用弁償約270万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出した。手当といっても、「避難先から町までの交通費などを考えれば、ボランティア活動」(町職員)なのが実情だ。
 道路や消防水利の復旧もまだまだ十分ではない。佐々木団長は「どこまで効果的なパトロールができるか分からない」と明かす。それでも「町のことを一番知っているのはわれわれ。消防団として町民の財産を守る活動をしたい」と前を向いた。

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