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古里の声援、歌う力に 活動再開後第1弾復興応援歌CD発売

「積極的にライブ活動を展開したい」と意欲を語る水原さん

■浪江町出身の歌手 水原ゆきさん

 浪江町出身の歌手水原ゆきさん(36)=本名・原田幸美、東京都在住=は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後に休止していた活動を再開し、シングルCDを発売した。ショックで舞台に立つことができずにいたが、「歌をまた聴かせてほしい」とのファンの声援に後押しされた。一層の飛躍を誓っている。
 復帰第一弾のシングルは、「ふるさと ふくしま」と「福島音頭」を収めている。いずれも震災後に福島市の作曲家菊地常雄さんが復興応援歌として発表し、話題となった作品だ。ジャケットの絵は伊達市出身の画家渡辺智教さん(兵庫県明石市)が描いた。
 水原さんは「田んぼ、山、アユの泳ぐ川、海、母校-。浪江の景色を浮かべながら歌っている」と話す。古里の情景を詠んだ心に染みる歌詞が、透明感あふれる歌声に乗って広がる。
 震災と原発事故で家族や親戚、友人らは住み慣れた土地を追われ、避難生活を余儀なくされた。両親は今、都内で水原さんと一緒に暮らす。「みんなが大変な状況なのに、歌ってなんていられない...」。震災後すぐに何度か歌う機会があったが、舞台に上がると自然と涙があふれ、声が出なくなった。歌手活動をいったん、やめることにした。
 震災前はボランティアで浜通りの高齢者福祉施設を回り、歌を披露していた。浪江町で開かれるイベントにも出演した。そこで親しくなった人たちから活動休止後、再起を求める声が次々に寄せられた。「歌ってよ」「声を聴かせて」-。古里はやはり温かかった。心が次第に解きほぐされ、人前で歌う気力が戻った。昨年の初冬、静岡県でのボランティアライブで再び活動を始めた。
 舞台に立つたびに聴衆に励まされる。「また来てね」との言葉が何よりもうれしい。「今回のシングルCDの曲をはじめ、たくさんの作品を歌っていきたい。ライブも積極的に展開していく」。これからも音楽の道をまい進していく覚悟だ。
 シングルCDの問い合わせは音楽社 電話090(2841)5980へ。

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