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今を生きる サクラ咲く古里に 10本の苗木が全滅 再会願い再び植樹

町総合グラウンドにサクラを植えた同級生

■楢葉中 昭和63年卒の有志

 楢葉町の楢葉中を昭和63年3月に卒業した有志が22日、思い出の詰まった町総合グラウンドにサクラの苗木を10本植樹した。町体協職員の坂本貴志さん(41)は「いつか、またサクラ咲く古里に集いたい」と願い仲間と汗を流した。
 坂本さんの同級生は121人いた。町内の同級生は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により避難を余儀なくされた。今年2月、男性陣の厄払いを兼ねた同級会を避難先のいわき市で開いた。再会の喜びや古里の思い出話、わが子の成長する近況などを報告し合った。
 席上、町民同士の交流の拠点であり中学時代に部活動など青春時代を過ごした町総合グラウンドに、サクラを植える話が持ち上がった。急きょ会場で浄財を募った。
 植樹には坂本さんら9人が避難先から集まり、陸上競技場に隣接する公園にソメイヨシノを植えた。同級生の1人が「美しい故郷 楢葉 昭和62年度楢葉中卒業生」と書いた木製の記念碑をサクラのそばに立てた。
 坂本さんによると、当初は5月下旬に10本を植えたが、直後にイノシシが苗木の根元を食いちぎりほぼ全滅したため、再び植樹を決めたという。教訓を生かし苗木の周辺を鉄線で囲み、イノシシが嫌うとみられる臭いも付けた。
 「イノシシが町の中を自由に動き回ること自体が異常なこと。震災と原発事故前の楢葉を取り戻せるよう、自分たちが今できることを仲間と続けたい」と坂本さんは話す。

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