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今を生きる 被災越え絵筆で栄冠 県水彩展に上位入賞

大橋さんの「透明な記憶」

■原町高美術部 部長 大橋佳凜さん 副部長 井戸川文美さん

 「震災を言い訳にしたくない」「後輩に絵に集中する姿を見せたかった」。原町高美術部部長の大橋佳凜さん(18)と、副部長の井戸川文美さん(18)が思いを込めて描いた作品が、会津若松市で30日まで開かれている県水彩展で青少年奨励賞の上位2点に入った。予想外のダブル受賞に2人は「光栄」「ありがたい」と喜びを感じている。
 高校生活で公募展に出す機会はさほど多くない。県水彩展は以前から知っていて、顧問から勧められ3年生の節目に出品することにした。
 制作期間は25日からの期末テストの準備と重なり、2人は今月初めから朝早く登校するなどして10日ほどで描き上げた。
 トップの県水彩画会賞に輝いた大橋さんの作品は「透明な記憶」。次賞の会津若松市教育長賞に井戸川さんの「鷹になる」が選ばれた。いずれもベニヤ板に木枠を付け、下地を塗ってアクリル絵の具で仕上げた。
 「透明な記憶」について大橋さんは「高校生活で抱く、いろいろな感情が表現できたかもしれない」という。井戸川さんは「昔から人に頼る性格。卒業を控え、タカのように孤独でも、ちゃんと格好良く生きてみたいと思った」という。
 井戸川さんは高校生活の最初に震災があって、自分が絵に向き合っていなかったとも感じ「今回は一度本気で集中してみよう」と思って描いた。大橋さんは「締め切りに間に合わせるために、緊張感を持って真剣に筆を握る姿を後輩に感じてもらいたかった」という。
 2人は高校最後の年の入賞に「これからの歩みの大きな励みになる」と感じている。

カテゴリー:連載・今を生きる

井戸川さんの「鷹になる」

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