相馬市が底引き船漁業者向けに整備した原釜漁具倉庫が完成し、28日、相馬市の松川浦漁港脇の現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。
スレート瓦ぶきの屋根、白い外壁の趣深い純和風の木造2階建てで4棟(延べ床面積各約470平方メートル、各12部屋)を設けた。市が相馬双葉漁協を通して漁業者に貸与し、一隻ごとに2部屋ずつ利用する。
東日本大震災の津波で流失した倉庫の代替施設。沿岸部の住民の安全確保のため職業、居住領域を分ける「職住分離」のまちづくりの一環。相馬発の新たな漁業スタイルとして従来は自宅などで行っていた漁具の維持・管理作業を現地倉庫で行ってもらう。
式典では立谷秀清市長らがあいさつし、テープカットした。菊地昌博原釜機船底曳網船主会長(58)は「資材置き場は漁業者が待ち望んでいた施設。漁業再興のシンボルになってほしい」と語った。
市は小型船用の漁具倉庫(7棟84部屋)の建設にも着工しており来年1月の完成を目指している。底引き船漁業者用の倉庫を合わせた総事業費は約6億6000万円。国の復興交付金を活用している。
(カテゴリー:福島第一原発事故)