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放射線 放射性物質 Q&A 原爆の被爆者の間で増えた病気は

 広島・長崎原爆の被爆者の間で、白血病の発症者が増加したと聞いたことがあります。被爆からどのくらいで発症者が増えたのでしょうか。また、白血病以外にも発症が増えた病気はあったのかどうかも教えてください。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■白血病5年目ごろピーク貧血など起こすMDSも

 原爆被爆者の中で白血病が増え始めたのは、被爆から2年たったころで、5年目ごろに発症者数がピークに達しました。その後は徐々に少なくなっていき、現在では、被爆の影響による白血病の発症はほとんどありません。
 白血病以外で原爆被爆が関係していると考えられているのは、「骨髄異型性症候群」(MDS)と呼ばれる血液の病気です。
 MDSでは、血液の幹細胞と呼ばれる細胞の遺伝子が傷つけられることで、骨髄の中で正常の血液細胞を作れなくなり、形や働きが悪い血液細胞が作られます。出来損ないの血液細胞はすぐに壊されてしまうので、結果として貧血などの症状が見られるようになります。MDSの一部は白血病に移行するので、白血病の前の段階にある状態であるともいわれています。MDSと原爆被爆との関係も詳しく調べられており、爆心地から近距離で被爆した若年者の間では、MDSの発症率が被爆していない人に比べて3.8倍も高いことが、長崎の被爆者を対象とした研究で分かっています。
 白血病もMDSも、原爆被爆時に、比較的大量の放射線を一度に外部被ばくし、血液の幹細胞の遺伝子に傷ができたことにより発症していると考えられています。一方で今回の福島第一原発事故では、原爆被爆者の方々のように大量の外部被ばくを1度にした方はおらず、白血病やMDSのような疾患が今後、県内で増えるとは考えにくい状況です。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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