東日本大震災

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通勤「大変でしょう」 飯舘・川俣ご視察の両陛下 従業員らにお言葉

飯舘村にある菊池製作所の精密部品工場を視察し、菊池社長(右)から説明を受けられる天皇、皇后両陛下=22日午後(代表撮影)

 「通うのが大変でしょうね」。22日、天皇、皇后両陛下が訪れた飯舘村の菊池製作所福島工場に感動が広がった。東京電力福島第一原発事故で避難区域に設定されたが、村の雇用を守ろうと、従業員約300人が力を合わせて操業を続けてきた。両陛下からの温かい励ましに「古里の復興のために頑張りたい」と決意を新たにした。3年連続での両陛下のご来県に、多くの関係者が「大きな勇気になる」と胸を熱くした。
 飯舘村から福島市の借り上げ住宅に避難している菊池製作所取締役福島工場担当の高橋幸一さん(51)は両陛下への説明を担当した。両陛下から通勤時間を尋ねられ、「車で1時間はかかります」と答えた。皇后さまは「ご苦労なさってますね」と気遣われた。
 同工場は原発事故発生後、村内全域が計画的避難区域になり、操業の危機に陥った。しかし、同社は従業員の雇用を守るため、村に許可申請を出し、従業員の安全管理を徹底しながら操業を続行した。風評に苦しみながらも、共に困難を乗り越えてきた。
 高橋さんは「両陛下にお越しいただき、たくさんの元気をもらった。原発事故後、厳しい現状にくじけそうになったこともあったが、報われた思い」と感無量の表情を浮かべた。
 同村出身で社長の菊池功さん(70)も両陛下の従業員への優しいお言葉に触れた。避難区域で操業を続けてきたこれまでの苦労を振り返り、「大変だったが、続けてきてよかった」と胸を熱くしていた。
 工場見学で両陛下は、空間放射線量を色分けして見ることができるガンマカメラ搭載の無人ヘリコプターに興味を持たれた。原発事故をきっかけにした新事業で、皇后さまは「除染が進んで避難している方が安心して帰ることができるようになればいいですね」と願った。
 同社は昨年、帰村宣言した川内村にも進出するなど、本県の復興への思いは強い。菊池さんは「両陛下がわれわれの仕事を見てくれたことを励みに、これからも福島のために頑張りたい」と誓った。

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