東日本大震災

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震災がれき 楽器に再生 新地の鹿狼アルプホルン倶楽部 丹精込め3台製作

震災がれきから製作したアルプホルンを手にする会員

 新地町の鹿狼(かろう)アルプホルン倶楽部が東日本大震災で生じた町内のがれきを利用し、スイスなどに伝わる民俗楽器「アルプホルン」を3台製作した。
 同町は津波で大きな被害を受けた。自らも津波で被災し、仮設住宅での生活を経験した前会長の仁科静夫さん(77)が震災の教訓を後世に伝えるために発案し、町の協力を得て昨年春から作業を始めた。相馬港4号ふ頭にある町の震災がれき仮置き場にあった流木のスギを材料に用いた。
 アルプホルンは日本では一般販売されておらず、愛好者は自ら製作することが多い。かつて県立テクノアカデミー浜で建築技術を指導していた会員の福田邦男さん(72)が中心となり、会員が協力して取り組んだ。
 約半年間の乾燥期間を経て、昨年11月から本格的な製作に入った。長さは約3・4メートルで三つのパーツで構成される。通常は硬いヒノキなどを材料とする。軟らかい素材のスギだったため扱いに注意しながら丹精込めて仕上げた。
 会員は現在、16人。山形県で13日に開かれたアルプ天元台50周年記念イベントで3台は演奏デビューを果たした。今後も各地の復興イベントなどの際に活用する。完成した手作りの楽器を手にした仁科さん、会長の三雲保さん(66)らは「鎮魂演奏などでも利用し、震災の教訓を伝えるシンボルにしていきたい」と誓っている。

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