借り上げ住宅県外で住み替え 国が家賃負担も 双葉町要望に厚労相示す

厚生労働省は、東京電力福島第一原発事故の被災者が県外で借り上げ住宅を住み替える場合、特段の事情があれば、例外的に災害救助法の適用を認め国が家賃を負担する方向で検討する。田村憲久厚生労働相が24日、双葉町の要望に対して示した。
同省に田村氏を訪ねた伊沢史朗町長は、県外に親と子どもが離れ離れに避難している家族で、親が体調を崩しても子どもが一緒に住めないケースがあると指摘し、柔軟な対応を求めた。
これに対し、田村氏は「法律上は認められないが、人道的な配慮は必要。(被災者の)生活を壊してまでも駄目ということではない」と述べ、対応に前向きな考えを示した。一方で「(どこまで認めるか)基準をわれわれが示すことはできない。(借り上げ住宅の提供主体の)福島県と相談してほしい」と語った。要望には吉野正芳衆院議員(比例中国、いわき市在住)が同席した。
県は「国に柔軟な対応を求めてきた。避難者の個別の事情を聞きながら判断していきたい」(避難者支援課)としている。
災害救助法では、県が住宅を借り上げ、原発事故の被災者に提供した場合、費用の約9割が国庫負担で措置される。県外の借り上げ住宅については、各都道府県が掛かった費用を県に請求する。
借り上げ住宅の家賃は各都道府県で異なるが、県は4人以下の家族で6万円まで、5人以上で9万円までを基準としている。
現行では、例えば山形県米沢市の借り上げ住宅から新潟市の借り上げ住宅へ住み替えることは原則、災害救助法の適用外となっている。
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