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地下水放出「反対」8割 東電バイパス計画 本社県民意識調査

 福島民報社は県政の重要課題に対する県民意識調査を行い、27日までに結果をまとめた。東京電力福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋流入前の地下水を海洋放出する東電の地下水バイパス計画について、「反対」との回答が8割を占めた。東電の計画に強い抵抗感を抱く県民の意識が浮かび上がった。
 地下水の海洋放出計画についての回答は【グラフ】の通り。「反対」が79・6%で、賛成の9・5%を70・1ポイント上回った。「どちらともいえない」が9・2%、「分からない・無回答」が1・6%だった。
 職業別で「反対」とした割合が最も高かったのは農林漁業の90・5%で、海洋放出の問題と直接関わる漁業関係者、風評被害に苦しむ農林業関係者の根強い抵抗感がうかがえる。年金受給者・無職などが85・1%、商工自営業が83・2%、専業主婦が82・6%と続いた。分からない・無回答を除いて最も低かったのは学生で、60・0%だった。
 地域別では、原発事故による避難者が多いいわき地域が83・3%と最も高く、次いで県中地域が81・2%、県北・相馬・南相馬地域が81・0%だった。
 男女別の「反対」は男性が75・4%、女性が83・4%だった。年代別で反対と回答した割合が最も高かったのは、男性は70歳以上で85・3%。60代の81・6%、30代の73・8%と続いた。最も低かったのは20代で63・5%だった。一方、女性の最高は30代の89・5%で、次いで60代の86・4%、70歳以上の85・3%の順。各年代とも70%台後半から80%台後半となっている。
 「賛成」は、男性の20代が27・0%と最も高く、40代が20・6%と続いた。女性は20代の10・4%を除き、いずれの年代も1桁台だった。
 福島第一原発では、地下水が原子炉建屋などに流れ込み、高濃度の放射性物質を含む水と混ざり、1日400トンの汚染水が発生している。地下水バイパス計画は建屋に入る水を減らすことを目的としているが、漁業関係者は「高濃度汚染水の海洋への漏えい問題と混同され、風評被害が拡大する」と懸念している。
 石崎芳行副社長(福島復興本社代表)は25日、県庁での記者会見で、原子炉建屋流入前の地下水の海洋放出について「(漏えい問題で、漁業者の)理解を得ることが難しくなるのは当然だが、汚染水を減らすためにはどうしても必要だ」との考えを強調した。
 原子力規制委員会は10日、汚染水の海への漏えいが強く疑われるとの見解を示し、東電は22日、流出を初めて認めた。

  ◆調査の方法 7月14日から16日まで、県内の20歳以上を対象にRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。コンピューターで無作為に電話番号を発生させてかける電話調査法で、電話帳に番号を掲載していない人も調査できる。有権者がいる世帯にかかった1144件のうち、856人から回答を得た。東京電力福島第一原発事故により避難区域がある双葉郡8町村と飯舘村は調査困難なため実施していない。

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