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汚染土、市街地避け運搬 中間貯蔵施設へ 環境省検討会案

 東京電力福島第一原発事故に伴う環境省の中間貯蔵施設安全対策検討会は30日、東京都内で開かれ、同省は汚染土壌を県内各地から施設に運搬するルート案を初めて示した。市街地や観光地、通学路などを極力避け、主に国県道を通る経路となっている。今後、道路の混雑状況や運搬による周辺への放射線の影響などを精査し、最終的な運搬計画を策定する。ただ、沿線市町村や住民から汚染土壌搬送に懸念が出る可能性もある。

■沿線住民から懸念も
 中間貯蔵施設の建設候補地となっている大熊、双葉、楢葉3町へのルート案は【図】の通り。人口の多い市街地や、子どもの行き交う通学路は避けた。風評被害が発生しないよう、観光地周辺もルートから外す。搬出地点より放射線量が低い市町村を通らないよう配慮する。
 運搬時の安全を確保するため、平成24年度版「県事故ゼロプラン」で指定された事故危険区間もルートから除外する。幅員5.5メートル未満の一車線や鉄道との平面交差地点、規制速度が時速20キロ以下の区間は運搬トラックが通過できるか確認した上で選定する。
 同省は今後、交通調査などを行い、運搬ルートの時間帯ごとの渋滞状況などを確認する。沿線への放射線の影響も評価し、最短期間で中間貯蔵施設への搬入が完了できる行程と運搬方法を決める。実現に向けた課題と対策を検討した上で、最終的な運搬計画を策定する方針だ。
 ただ、汚染土壌などを運搬するトラックが連なり渋滞が起きることも想定されるほか、健康への影響を不安視する声が上がる可能性もある。出席した専門家の委員からは「交通量でルートを決めるのではなく、どこを1日何台通ることが市民感情として許されるのかという発想で考えた方がいい」との指摘があり、環境省側は検討する考えを示した。
 今回の案は、運搬に適する道路をいったん、県内全域で割り出す方法で作られた。このため、除染の予定がない南会津地方などの道路も含まれている。今後の検討作業の中で、同地方などのルートは除外される。
 安全対策検討会は施設の具体像をまとめる目的で、同省が今年6月に設置した専門家組織。秋ごろまでに今後2回程度、会合を開く。同省は施設建設による環境影響対策をまとめる「環境保全対策検討会」も設置している。

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