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料理好き、にこやかな妻

■南相馬市鹿島区寺内 米倉睦子さん(55)

 睦子さんは夫の勝信さん(60)と次女、次男の4人暮らしで、震災当日、相馬市鹿島区烏崎にある実家に帰っていて津波に巻き込まれた。
 物静かな性格で、料理が好きだった。男2人、女2人の子宝に恵まれ、勝信さんに「子育てが終わったらゆっくりしたいね」と話していた。
 勝信さんは「たまにはけんかもしたが、仲良くやっていた」と懐かしむ。勝信さんが趣味の釣りに出掛けるときもにこやかに送り出してくれたという。睦子さんは飼っていた雑種の愛犬もかわいがった。
 自宅にいた勝信さんは地震が起きるとすぐに睦子さんの実家に電話をした。何度かけてもつながらなかった。車で向かうと、6号国道を越えた辺りで路上に船が打ち上げられていた。先に進めなかった。
 勝信さんは腎臓の病にかかっており、1日置きに人工透析を受けなければならなかった。震災直後は透析を受けられる病院が県内に見当たらず、子どもと千葉県の妹宅に避難し、地元の病院に通った。睦子さんは震災から約1週間後に実家付近で発見された。勝信さんは知人から睦子さんが見つかった連絡を受けても通院のため千葉県からすぐに向かうことができなかった。
 震災から4カ月後、透析が受けられる病院を見つけて1人で福島市の旅館に移り、南相馬市の病院でも透析治療を再開したため、8月に家族と戻った。ようやく睦子さんと対面できた。「体調が悪く、南相馬に戻れない日が続き苦しかった。遅れた分、しっかりと供養したい」と誓っている。

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