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放射線 放射性物質 Q&A 原発事故でMDS発症増えるのか

 長崎の原爆被爆者の中で骨髄異型性症候群(MDS)という病気が増加していると聞きました。東京電力福島第一原発事故が発生した県内でも同じようにMDSの発症が増加することはあり得るのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■高線量の外部被ばくなし県内では増加考えにくい

 現在、県民を対象に実施されている県民健康管理調査では、原発事故直後からの行動記録を記載してもらうことによって、それぞれの方の外部被ばく線量がどのくらいであったかを評価しています。これまでに38万6000人余りの県民から寄せられた回答内容を解析した結果によると、回答者の約3分の2の人の外部被ばく線量が1ミリシーベルト以下でした。
 約95%の人の被ばく線量が2ミリシーベルト以下、99%強の人の被ばく線量が3ミリシーベルト以下であり、5ミリシーベルトを超える外部被ばくをした人は、全体の0.25%程度にとどまっています。1回のコンピューター断層撮影(CT)検査による外部被ばく線量が5~10ミリシーベルト程度ですので、県内の外部被ばく線量はかなり限られているといえます。
 最近になって、長崎の原爆被爆者においてMDSという骨髄の疾患が増加していることが報告されました。この疾患は比較的高い線量の外部被ばくをした被爆者においてみられています。具体的には、1グレイ、つまり1000ミリグレイ以上の被爆をした群では、5ミリグレイ以下の被爆をした群に比べて、MDSになる頻度が8倍程度増加していることが分かっています。
 ただ、県内ではMDSのリスクが増加するまでのような高い線量を外部被ばくした方はいません。長崎の被爆者のようにMDSや白血病といった骨髄の疾患が増加するとは考えにくいといえます。
*グレイ:放射線の吸収線量。ヨウ素131やセシウム137が出す放射線(ベータ線、ガンマ線)の場合、1ミリグレイは1ミリシーベルトとなる。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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