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原発事故賠償支払い24億円止まり 49市町村、342億円請求

 東京電力福島第一原発事故に伴う自治体賠償で、県内49市町村が請求した342億円に対し、東電が支払ったのは24億円(7%)にとどまることが18日までに福島民報社の調査で分かった。このうち、12市町村が裁判外紛争解決手続き(ADR)による原子力損害賠償紛争解決センターへの申し立てを検討している。請求から一年近くなっても、東電から回答が示されないことなどが理由だ。

■ADR申し立て12市町村が検討
 調査は今月2日から13日まで実施した。各市町村に原発事故後からこれまでに請求した賠償や東電からの支払い状況を質問した。
 市町村の賠償請求に対し、東電の支払いが7%にとどまるのは、東電が食品の放射性物質検査費用や、下水道汚泥の保管費用など一部の請求にしか支払いに応じていないためだ。
 市町村の請求項目で目立つのが税の減収分。賠償の範囲や額をまとめた原子力損害賠償紛争審査会の「中間指針」では、税の減収分について「特段の事情がある場合」を除いて認めていない。東電は中間指針を根拠とし、福島市が昨年8月に請求した税の減収分9億1074万円を支払っていない。
 6月に福島市で開かれた審査会では、出席した首長からゴルフ場利用税や入湯税などの税収の落ち込みは、原発事故による風評が原因とし、賠償対象に加えるよう意見が出た。このため、能見善久会長は自治体賠償について、審査会で今後議論する方針を示している。
 他に、原発事故に伴う新たな業務の人件費や、除染用高圧洗浄機購入費、農産物の風評対策費なども支払われていない。
 東電は「中間指針に基づき賠償対象を決めている。審査会での議論で指針が変更になった場合は適切に対応したい」との考えを示す。自治体に対する賠償が進んでいないことには「個人や法人、個人事業主への対応を優先しているため」としている。

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